注文住宅は間取りや外壁、素材をこだわって作り上げることができます。
細部までこだわった結果、当初の予算を大幅にオーバーしてしまったという人もたくさんいます。
設計の段階でコストダウンをしなければ負担が大きくなり、後の生活が苦しくなってしまいます。
だからと言って、何でもかんでもコストを下げればいいという物ではありません。
この記事では、どこから見直しをしていけばいいか、どういったところはコストをかけるかを紹介します。
注文住宅の設計に盛り込み、予算に合わせてプランニングしていきましょう。
見積もり費用をおさえる7つのポイント
費用を抑えるポイントは以下の7つ。
- 延床面積を減らす
- 建物の形をシンプルにする
- 部屋数を減らして間仕切りをシンプルにする
- 収納スペースを増やさない
- バルコニーを大きくしない
- 水回りをまとめる
- 後付けできるオプションはカットする
優先度の低いところは費用を抑えるとメリハリがついて予算配分がしやすくなるのでおすすめです。
一つずつ解説していきます。
延床面積を減らす
住宅のすべての階の面積を足したものを延床面積といいます。
延床面積が大きいほど建築費用が高くなります。
ハウスメーカーは延床面積から建築費用を算出することが多いので、延床面積を抑えることでコストダウンにつなげられます。
延床面積が小さくなる = 建物が小さくなるので、コストダウンにつながります。
同じ床面積でも凹凸の多い複雑な形状は、コストアップになってしまうことがあるので注意してください。
家の形をできるだけシンプルにすることが、コストダウンのコツです。
建物の形をシンプルにする
家の形は、凹凸のある形状ほど外壁の量が多くなります。
凹凸形状は柱の追加や強度の補強が必要になるため、四角いサイコロ形状のほうがコストは下げられます。
屋根の形状は「片流れ」を選択するとコストが下がります。
寄棟(よせむね)、切妻(きりづま)など形状は多彩ですが、シンプルな形状の片流れが一番コストが低いです。
建物の凹凸と共に、屋根の形状もできるだけシンプルにすることでコストダウンが計れます。
部屋数を減らして間仕切りをシンプルにする
必要以上に部屋を作ることは避けましょう。
部屋が増えると、壁材やクロス、ドアや窓の設置などが必要になり、その分の建材が必要になります。
使わない部屋が多くあると物置になってしまったり、綺麗に維持するのも大変。
部屋の数を必要最低限にすることで、コストの上昇を抑えます。
収納スペースを増やさない
収納スペースがたくさんあると便利に思いますよね。
しかし、収納スペースをたくさん設置すると、コストアップにつながります。
収納スペースが増えるということは、扉や棚を付けることになりコストアップにつながります。
キッチンの吊戸棚を省くだけでもコストダウンになります。
部屋ごとにクローゼットを設置するのではなく、1か所にウォークインクローゼットを作るなどすれば、出入り口が1つにできコストダウンにつながります。
衣類もまとめて保管できるので、収納スペースを減らす1つの手段として有効です。
バルコニーを大きくしない
バルコニーの大きさは、洗濯物を干すなら90cm程度でも十分。
バルコニーが大きくなると、補強が必要になるのでコストアップになります。
バルコニーが無い方が外観もスッキリします。
設置する数も減らす方向で検討するとよいでしょう。
水回りの場所をまとめる
1階にお風呂、2階にキッチンなど、水回りが各階にある家が多くあります。
LDKが2階にある家は水回りが分散しがちですが、そのぶん排水管が複雑になり工賃が高くなります。
できるだけ水回りをワンフロアに集めた方がコストを抑えることができます。
1階と2階にトイレを設置する家庭も多いと思います。
2階のトイレを使う頻度が少なそうなら、1階だけの設置を検討してみてください。コストがだいぶ削れます。
照明器具やエアコン、カーテンを自分でそろえる
照明器具をハウスメーカーに準備してもらうと、高くなる傾向があります。
シーリングライトなど、必要な物は家電量販店などでまとめて購入する方が安くなります。
エアコンも家電量販店でまとめることで、2台目以降の割引や設置工事無料の特典が受けられることが多いです。
住宅設計時に規格サイズの窓を採用すれば、市販カーテンでそろえられます。
自分でカーテンレールを取り付けることで、コストを抑えられるのでおすすめです。
コストを削らないほうがいいところ
予算が合わないからと言って、どこでもコストを削ればいいという物ではありません。
ここでは、コストを削らない方がいいところを紹介します。
コストを削らない方が良いと言っても、過度にコストアップする必要は無いので、バランスをみてプランニングしてください。
外構工事
門扉や柵、駐車場など外構工事は50万円~100万円程度の費用がかかってきます。
費用は安くはありませんが、外構工事で手を抜くと防犯対策が不十分になることも。
周りから家の中が丸見えになったり、どこからでも侵入できてしまう状態は泥棒にも狙われやすくなり危険です。
だからと言ってやりすぎはコストアップになります。
最低限のプライバシーが守れる外構づくりをしてください。
地震対策
地震の多い日本では、耐震性能の高い家づくりが必要です。
地盤の強い土地を選ぶことも必要です。
耐震性能が高い柱や壁、制振装置を導入するなどして、揺れに強い住宅を建てることが理想です。
耐火性能
木造住宅は家事に弱いイメージがありませんか?
木は太さや厚さがあると、完全に燃えずに炭化するまでにとどまります。
しっかりした木材を使っていれば、火事になってもある程度の強度を保つことができます。
コストを削ったことによって、耐火性能が低い材料を使ってしまうと将来的に不安が残ります。
ハウスメーカーや工務店で、耐火性能が高い材料や工法を扱っているか確認しましょう。
外壁
外壁は風雨にさらされるので劣化が早く、10年に1度は塗り替えが必要と言われます。
外壁の耐久性が低いと、雨漏りやシロアリの被害にあうこともあります。
劣化しにくい耐久性の高い外壁を選ぶようにしましょう。
断熱材
安い断熱材を使うと冬の寒さが厳しく、暖房費用が高くなってしまいます。
夏はクーラーの効きが悪く、冷房費用が高くなりがち。
断熱性が悪い住宅は、光熱費が高くついてしまいます。
断熱性の高い建材を選ぶことで、光熱費を下げることができます。
長期間の生活を考えると、結果的にコストダウンにつながります。
セキュリティ
侵入者を防ぐためにも、扉の鍵が2つ付いている扉を選んだり、割れにくい窓やドアを選ぶとよいでしょう。
玄関の鍵はディンプルキーが一般的になりました。窓の鍵もセキュリティの高い物を選びましょう。
窓は気密性の高い断熱窓を選ぶことで、室内の温度も保たれるので検討しても良いでしょう。
しっかりプランを立てて予算オーバーしないようにしましょう
注文住宅の設計をしていると、あっと言うまに予算オーバーしてしまいます。
生活の優先順位を明確にし、どこにコストをかけるかハッキリさせましょう。
使用頻度が低いと考えられるものは思い切って削除してしまってもいいかもしれません。
予算をかけるべきところ、削るところのメリハリをつけて住宅設計をしていくとよいでしょう。
あらかじめ予算をハウスメーカーや工務店に伝えておくことが重要です。
予算以内で家を建てたいと言うことをハッキリ伝え、プランの相談をしていきましょう。
予算オーバーするからと言って、値引き交渉をするのは危険です。
最悪、欠陥住宅が建ってしまうことにもなりかねません。
注文住宅において値引き交渉は非常に危険なので、プランの見直しで予算に合う家づくりを目指してください。