MENU

注文住宅の見積り内訳とそれぞれの内容を解説します

注文住宅の見積もり内訳と内容の解説

住宅の見積書を見たことはありますか?

家を建てるときの見積書には正式な書式がありません。

住宅会社や工務店に見積書を出してもらっても内容が分かりにくく、難しく感じるかもしれません。

また、各社書き方が違うため比較がしにくいことがあります。

家の価格を決めるのは、大きく分けて3つ。

  • 本体工事費用
  • 付帯工事費用
  • 諸費用

これらを合算した費用が、家を建てるための総費用となります。

もし、土地を購入する場合は土地代が必要になります。

この記事では、3つの費用についての内容と、それぞれの内訳を解説します。

それぞれの内容を知ることで、複数の見積書を比較するときに役に立ち、家を建てる資金計画も立てやすくなります。

目次

本体工事費用、付帯工事費用、諸費用の内容

住宅の見積書

本体工事費用

建物を建てるために必要な費用です。

基礎工事から骨組み、内装、外装、屋根、設備など、家本体の工事費が対象です。

駐車場や庭、塀などの外構工事は費用に含まれていません。

家の面積や形状、建材や設備によって価格は変わります。

同じような家を建てたとしても地域によって坪単価や材料費が変わるため、価格は変わることがあります。

一般的に家を建てる総費用の7割~8割を占めます。

家を建てるための本体工事費用について、主な内訳と内容をまとめました。

住宅会社や工務店によって、書き方や内容に違いがあることがあります。

番号項目内容
1仮設工事家を建てるための足場、養生、仮設トイレ、工事用電力、清掃、片付けなど、準備のための工事です。
2地業・基礎工事建物の基礎の下の部分を「地業(じぎょう)」といいます。基礎をつくるための土を掘ったり、基礎の配筋やコンクリートを流し込んだりする工事です。
3木工事建物(木造)の骨組みをつくる軸組、床組、小屋組の工事。時間とコストが一番かかる工事で、本体工事費用の35%程度をしめます。
4屋根、板金工事瓦や板金で屋根を葺く(ふく)工事。庇(ひさし)や樋(とい)の工事も含みます。
5金属製建具工事アルミサッシの窓や金属製のドアを取り付ける工事。
6木製建具工事木製の窓やドア、障子やふすまなどの取り付け工事。
7硝子工事アルミサッシ以外の硝子で、ガラスブロックや化粧鏡、はめ殺しガラスなどの工事。
8石、タイル工事浴室や床、玄関やポーチなどにタイルや石を貼る工事。
9左官工事外壁材や浴室にタイルを貼るための、下地をつくる工事。
10塗装、吹き付け工事外壁に粒状の材料を吹き付けたり、色を付ける工事。
11内装工事内壁や天井、フローリングなど、部屋の中を仕上げる工事。
12防水工事建物やベランダなど、風雨にさらされる個所に、防水機能を持った層をつくる工事。
13電気工事コンセントや照明器具、ブレーカーなどの電気設備を取り付ける工事。照明器具は付帯工事に含まれることがある。
14雑工事手すり、棚、床下収納、表札、ポストの取り付け工事。引き渡し前のクリーニングなど、工事見積書のどの項目にも入らない工事をまとめて雑工事といいます。
15仕上げユニット工事システムキッチンや洗面台、ユニットバスなどの工事。既製家具や棚、手すりなどの雑工事もまとめられることがある。
16給排水衛生設備工事給水、給湯設備、排水設備、浄化槽、ガスなどの設備工事。
17冷暖房空調工事24時間換気システムやエアコン、床暖房の工事。
18諸経費現場の経費と会社の経費を合わせた費用。住宅ローン手数料や不動産取得税の諸経費とは別物です。

付帯工事費用

建物以外の工事にかかる費用のことです。

地盤改良や屋外配給水工事の費用、駐車場や庭、フェンスや門扉などの外構工事などが対象になります。

古い建物を処分する場合は、解体工事費用も含まれます。

建築会社以外に発注する工事にかかる費用のことです。

付帯工事は総費用の2割程度の費用になります。

家づくりにかかる費用の一部である付帯工事費用について内訳をまとめました。

付帯工事は家の作りや設備、建てる場所によって費用がかわります。

番号項目内容
1外構工事駐車場や庭、フェンスyは門扉、植栽工事などの費用。建物の周りに関する費用。
2地盤改良工事地盤調査の結果で、土地の強度を上げる必要がある場合に行う改良工事。
3引き込み工事ガス管や水道菅を土地に引き込む工事。通信回線も引き込み工事に含まれる。
4屋外電気工事屋外の照明など、建物外部に配線をする電気工事。
5造園工事庭をつくる工事。植栽費用も造園工事に入る。
6照明器具工事リビングやダイニング、寝室などの照明器具の取り付け工事。
7カーテン工事カーテンレールやブライドなどを取り付ける工事。
8解体工事土地に解体する古い建物がある場合に必要になります。建築廃材の廃棄コストが高くなってきているので、注意が必要です。

土地の形状が複雑だったり、高低差のある建物、道路から建物まで離れていたりすると引き込み工事費用が高くなります。

地盤調査の結果、地盤改良が必要になった場合も数十万~数百万の地盤改良工事費用が必要になってきます。

土地が安いからと言って安易に決めてしまうと、後から出費が増えることになりかねません。

土地選びは慎重に行うようにしてください。

諸費用

住宅ローン手数料や登記費用、火災保険、不動産取得税や固定資産税、地盤調査比や建築確認申請書など。

家の工事以外にかかる手数料や保険料のことを諸費用と言います。

諸費用は、基本的に現金払いになりますので注意してください。

事前に資金を確保する必要があるので、資金計画でもチェックしておきましょう。

諸費用は総費用の1割程度になります。

手数料や税金、火災保険や引っ越しなど、建物を建てる以外にかかる費用のことです。

諸費用は基本的に現金で支払います。住宅ローンに諸費用を含めることはできないので、注意が必要です。

諸費用は、総費用の1割程度が必要になります。余裕を持ってお金の準備をしておきましょう。

番号項目内容
1印紙税契約書を作成するときに課せられる税金。契約書に収入印紙を貼り付けます。
2登録免許税(登記料)不動産の所有権や抵当権を登記するときに納付する国税。
3登記手数料登記を司法書士に依頼をしたときの手数料。
4不動産取得税土地や建物など、不動産を取得したときに課せられる税金。固定資産税の評価額によって金額が変わります。
5融資手数料住宅ローン融資を受ける金融機関に支払う事務手数料。
6団体信用生命保険住宅ローンの返済途中で死亡したり高度障害になった場合、生命保険会社が住宅ローンの残高を支払う保険。通常、金利に保険料が含まれているので、別途保険料を支払う必要はない。
7火災保険火災や風災、地震の被害を受けた時の保険。火災保険の種類には、地震保険や家財保険などもある。住宅ローン融資を受けるときも必要になる。
8固定資産税毎年1月1日時点で登録されている、所有者に課せられる市町村税。
9都市計画税都市計画事業などに充てられる地方税。
10地盤調査費地盤改良が必要か判断するために行う調査。
11設計監理料設計事務所に家の設計や、図面通りに建物が造られているかのチェックを依頼するための費用。設計料と呼ばれることがあります。
12式典費地鎮祭、上棟式、ご祝儀、初穂料などの費用。最近は上棟式を行わないことが多い。
13物件検査手数料住宅が、国の建築基準を満たしているかを検査する費用。
14仲介手数料仲介業者経由で注文住宅を建てたときは、仲介手数料を支払います。
15引っ越し費用引っ越し費用や仮住まいの家賃など。
16家具、備品照明器具やカーテン、新しい家具などの費用。
17その他現場の職人さんに出すお菓子代、近隣住民への挨拶、新築祝いなど。

家の価格表示は本体工事費のみ書かれています

チラシやインターネットに表示されている家の価格はほとんどの場合、本体工事費のみ表示されています。

1980万円(税込み)と書かれた家の場合、総工事費は概算で以下のように計算できます。

概算の総費用

1980万円(税込み)の場合、1800万円が税別価格。

1800万円が本体工事費用なので、総費用の7割と考えます。

総費用(税別) :1800万円÷0.7=2571万円
総費用(税込) :2828万円


■総費用の内訳

  • 本体工事費用:1800万円
  • 付帯工事費用:514万円
  • 諸費用   :257万円
  • 消費税10%  :257万円

※付帯工事費用や諸費用は住宅の仕様によって増減します。

チラシやカタログ、インターネットの価格は、本体工事以外の費用が含まれていません。

そのため、表示価格より総費用は大きくなります。

付帯工事費用や諸費用は、家を建てる環境や諸々の手続きの内容によって変化が大く、正確な価格が書けません。

表示価格と実際の総額に大きな差がでるため、総費用を明確にしてから予算を組む必要があるので注意してください。

見積書をもらったら確認するところ

注文住宅で失敗しないためのポイント

見積書をもらったら、以下の3点は必ず確認しましょう。

  • 有効期限
  • 金額
  • 見積もりに含まれていない工事内容

見積書と一緒に、設計図と仕様書も漏れが無いか確認してください。

後から工事項目の追加をされたり、費用の追加請求が発生してしまうと、予算オーバーにつながります。

最悪の場合、グレードを下げた家を建てることにもつながりかねません。

  • 項目の漏れが無いか。
  • 追加工事が無いか。
  • 追加費用が発生しないか。
  • 追加予算は出せない。

このような内容を必ず確認し、不明点がない状態にしてから契約をするようにしてください。

施工会社に見積書を出してもらうときの注意点

施工会社に見積もりを出してもらうとき、いくつか外せないポイントがあります。

自分も施工会社も忙しい中で見積もり作成をするので、時間の無駄が無いように準備をしましょう。

予算を伝える

見積もりを依頼するときは、予算を伝えてください。

予算を伝えずに見積もりを依頼すると、かけ離れた見積もりが出てくることがあり、施工会社も自分も時間の無駄になります。

必ず予算を伝えて見積もり依頼をしてください。

見積書はできるだけ詳細に書いてもらう

会社によって、「〇〇一式」と大きな項目で表示されていることがあります。

これでは、何にいくらかかっているのかわかりません。

項目不足があるのかもわかりませんし、各項目が適正価格かどうかの判断がつきません。

後から項目追加によって追加費用が発生しても、取返しが付かなくなる可能性もあります。

見積書を出してもらうときは詳細な見積もり作成を依頼し、細かく確認できるようにしてください。

資料請求時や初期の見積もり時点では、どうしても概算見積もりになります。ある程度、建てる家の方向性や予算が固まってから詳細見積もりを依頼するようにしましょう。

見積もりは複数社に依頼する

見積もりを依頼するときは、必ず複数社に依頼をしてください。

各項目の価格が適切か、判断する材料にもなります。

複数社の見積もりを見比べて、不明点やおかしいと感じたところは迷わず質問してください。

わからないところを放置しておくと、後で泣きを見ることになります。

そのようなことにならないためにも、不明点や疑問点があったら確認をしておきましょう。

金額の妥当性を判断するためにも、必ず複数社に見積もりをとり、比較検討するようにしましょう。

注意点

複数社の見積もりがそろった後、相見積もりで無理な値引き交渉は止めましょう。

無理な値引き交渉は、工事の質を下げることなりかねません。

総費用が安くなっても、欠陥住宅を建てられたら取返しが付かなくなります。

相見積もりを値引き材料に使わないようにしてください。

参考記事:注文住宅は値引きができる?値引きの危険性と価格を抑える3つの方法

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次